064.綺麗
どんな困難も2人で切り抜けてみせる。
どんな障害も2人で乗り越えてみせる。
自分の心が望んだ相手だから。
2人なら、どんな事実でも越えられる―――・・・
お互いの唇を貪ったまま、そっとベッドに不二を押し倒す跡部。
「んっ・・・」
不二から、艶かしい声が漏れる。
服のすそから手を差し込むとびくっと振るえる不二の身体に、跡部は唇を離す。
「どうした?」
優しく不二の顔を覗き込む。
不二の眼には、うっすらと涙が滲んでいた。
「ごめっ・・・でも・・・」
堪えきれなくなったように嗚咽を漏らす不二を優しく抱きしめると、跡部はポンポンと
背中を撫でる。
「大丈夫、大丈夫だ」
子供をあやすように、優しくそう繰り返す。
不二が落ち着くまでずっと。
「景吾・・・」
悲しげに瞳を揺らしながら、跡部を見つめる不二。
「本当に・・・イイの?」
心細げに自分を見やる不二に、跡部はぺちっとデコピンをくらわす。
「たっ・・・」
「クドイんだよ」
不遜な笑みを浮かべ、不二を見やる跡部に不二は額を押さえながら問う。
「僕・・・景吾以外の人に抱かれたんだよ・・・?」
「僕の身体は、汚れてるんだ」
「僕は汚いんだ」
不二のその言葉を静かに聞いていた跡部だったが、不意にすっと腕を動かすとためらうことなく不二の服を脱がせた。
「ちょっ・・・景吾」
不二の服を剥ぎ、自分も上服を脱ぐと凛とした表情でまっすぐに不二を見つめる。
「お前のどこが汚いんだ」
「どこって・・・」
跡部の問いに少し下向き加減に答える不二。
「周、オレの眼を見ろ」
「・・・っ」
ぐいっと不二の顎を掴み、ムリヤリ自分の方へ向かせる。
「オレの身体と、お前の身体。どこが違う?」
「景吾・・・」
「お前は綺麗だよ」
跡部がそうはっきり言うと、不二の眼に涙が溢れた。
「周、愛してる」
「景吾ぉ―――・・・」
ぽろぽろと青い瞳から流れ落ちる涙を優しく拭うと、目頭に軽くキスを送る。
「周は凄く綺麗だ、どこも汚れてなんかいない」
―――オレはお前を愛している。
そういうと、跡部はそっと不二の身体に覆い被さっていく。
不二はそれを優しく迎え入れる。
「愛してる、周」
「うん、僕も愛してる」
どんな困難も2人で切り抜けてみせる。
どんな障害も2人で乗り越えてみせる。
自分の心が望んだ相手だから。
2人なら、どんな事実でも越えられる。
Fin.
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