018.ナルシスト
事の起こりは英二のこんな一言だった。
「跡部って、ナルシーくんだよね?」
「・・・へっ!?」
僕はいきなりの事に素っ頓狂な声を上げた。
「どったの?不二・・・?」
「いや・・・景吾ってナルシーかな?」
僕のそんな問いに今度は英二が素っ頓狂な声を上げた。
「えっ!? 違うのっ!?」
「ナルシストとは・・・違うような・・・」
"う〜ん・・・"
と、悩む僕。
すると、英二も一緒に"う〜ん・・・"と悩みだした。
「ねぇ、不二。ナルシストって何だろう・・・?」
いきなり、英二がそんな事を言い出した。
「そうだね・・・『自己陶酔型の人。うぬぼれの強い人。』のことらしいよ。」
僕は、持っていた国語辞典を開いて読んであげた。
「そう・・・それってやっぱり跡部のことじゃない・・・?」
「う〜ん・・・」
確かに景吾は目立つことや派手な事は大好きで。
自分が一番じゃないと気がすまない見栄っ張りだし。
うぬぼれ屋かもしれないけど・・・
自己陶酔なんて・・・
自己陶酔なんて・・・
自己陶酔・・・
・・
「ごめん、英二。やっぱり景吾はナルシストかも・・・」
Fin.
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