014.テクニシャン
それは、ある麗らかな昼下がりのことだった。
青学テニス部問題児コンビとして名高い36メイツの2人、
青学NO.2の天才・不二周助とアクロバティックの天才プレイヤー・
菊丸英二はポカポカ陽気の下、屋上でくつろいでいた。
「ねぇ〜・・・不二ぃ〜」
「なぁに? 英二」
お昼ごはんを食べ終え、暖かい陽気に眠気を誘われながら不二が聞く。
「ま・・・前から聞きたかったんだけど・・・」
少し気まずそうに菊丸が言う。
「うん、なに?」
菊丸はキョロキョロと辺りを見渡して、誰もいないのを確認すると、そっと不二に近づいてこそっと耳打ちした。
『やっぱり跡部って、アレすごいの?』
―――間。
「アレ・・・ってセックスのこと?」
「うにゃ―――ッ! そんにゃにはっきり言うなよ―――ッ!!」
菊丸は顔を真っ赤にして抗議している。
そんな菊丸の様子を楽しそうにみている不二は、にっこりと笑って、
「クスクス・・・そうだね」
っと言うと、菊丸の首元に顔を埋め、
"中学生とは思えないほどスゴいよ"
と、囁いた。
「にゃぁぁ・・・」
かぁぁ・・・っと、顔を赤らめる菊丸。
「顔、真っ赤だよ? 英二」
クスクス・・・と笑う不二。
それは、ある麗らかな昼下がりのことだった―――・・・
しかし、
「ん・・・? ちょっと待てよ・・・」
"なんで不二ってば、跡部のテクが中学生レベルじゃないってわかるんだ・・・?"
という新たな疑問が菊丸の頭に残るのだった―――・・・。
Fin.
←
|